![]() ![]() |
« 前の記事「「寺山修司の青春時代展」世田谷文学館」 | | 次の記事「いやさ新年度の門出に相応しい御言葉なりや」 »
みなさんへ
勝手な店主が行き当たりばったりに営むですぺらを御贔屓くださりありがとうございます。常日頃から心底で感謝致しております。
のっけから私事で恐縮ですが、些少にせよ、月単位で黒字が出たのは2000年12月と2001年12月の二箇月のみ。三年半ほどですぺらを続けてきましたが、去年の五月からは慢性の赤字続き、これ以上店を維持するのが不可能になりそうな雲行きです。今月末にですぺらを閉店するか続けるかを決めるぎりぎりの状況がやって来ます。よしんば続けるにせよ、年内一杯が限界ということになりましょうか。お世話になったみなさんには申し訳なく、こんなことを著すのは心苦しいのですが、最後の御贔屓を賜りたく、どうかよろしくお願いいたします。
どこからか、「ざまあみろ」との声も聞こえてきそうですが、それは私がみづからに突きつけてやまなかった、謂わば座右の銘とも称すべきもの。ですぺらの寡多録には「人は描かれては波に掻き消される暫定的な存在・・・営みのすべては儚くうつろなもの。ですぺらもまた、夜ごとの演目を終え、やがてなにごともなく消滅。その日までは媚びを売り顰蹙を買う、いたずらな搏動におつきあいいただければ幸甚」と開店のときから明記致しております。
どなたかが「さよならだけが人生さ」と申したらしいのですが、されば「ざまあみろだけが人生さ」が私の私自身への戒めなのです。人生などという、たちの悪い冗談のただなかに寄寓するにさいし、他の戒めなど考えようもなかったのです。みづからへの訓戒を他者から示唆される事態を世間では「身からでた錆」と申します。
次回みなさまとお会いするのはわが心のふるさと北海道かと思われます。でも、その前に赤坂のシングル・モルトを例え一箇月でも、一週間でも余分に楽しめないかとの、これはささやかな執心なのです。逼迫しております。重ねてどうかよろしくお願いいたします。
« 前の記事「「寺山修司の青春時代展」世田谷文学館」 | | 次の記事「いやさ新年度の門出に相応しい御言葉なりや」 »
ですぺら トップへ |
掲示板1.0 トップへ |
掲示板2.0
トップへ |