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ダグラス・マクギボン社の豊富な樽のなかからミルロイ氏が選択するジョン・ミルロイ・セレクションが頒されました。
今回は82年蒸留の20年ものポート・エレン、シェリー・カスク熟成、61.7度のカスク・ストレングスです。同様のジョン・ミルロイ・セレクションが過去2回頒されています。
ポート・エレン、82年蒸留の19年もの、シェリー・カスク熟成、61.3度のカスク・ストレングス
ポート・エレン、78年蒸留の23年もの、シェリー・カスク熟成、62.2度のカスク・ストレングス
ちなみに、マクギボン社のプロヴァナンス・シリーズは通常43度でボトリングされます。過去のポート・エレンのボトリングは以下のごとし。なぜ紹介するかと言うに、シェリー・カスクを用いたポート・エレンでは同社のボトルは群を抜いています。
「接着剤と含嗽剤を綯い交ぜた臭い。塩辛く鋭角なこく。舌を刺す刺激と極めてスパイシーなフィニッシュ」もしくは「押し寄せる胡椒、ヨード、海藻、鞣し革の香り。アイラ党を熱狂させるオイリーなボディとピクリング・スパイスを噛みしだくような深く長いフィニッシュ」等々、いかように著してもよろしいのですが、要はポート・エレンが持つエキセントリックな香味がシェリー・カスクでもってあらぬ方へ歪められ、想像だにしなかった新しい味わいを生むのです。
カスク由来のヘーゼルナッツや干し葡萄、杏を思わせる香り、とろりとした甘さ、円熟したまろやかさと引き締まった芳醇なテイスト、そういったおよそポート・エレンとは相容れない筈の香味が、かつて存在しなかったベクトルを誕生させ、双方の個性を際立たせるのです。
83年蒸留の19年もの、シェリー・カスク熟成、43度
82年蒸留の19年もの、シェリー・カスク熟成、43度
82年蒸留の18年もの、シェリー・カスク熟成、43度
82年蒸留の17年もの、シェリー・カスク熟成、43度
81年蒸留の18年もの、シェリー・カスク熟成、43度
話序でに、勉めて何者かであろうとするタイプと相対するところの者に合わせて何者にでもなれるタイプと二種の人品があるように見受けられます。前者をおたく、後者をおたくではない人と見立てます。おたくとはアイラ・モルト。おたくがおたくでなくなるその介添えが熟成に用いるカスクとするならば、カスクは自らへの懐疑であり、熟成とは情念の有り様そのものではありますまいか。薫子さんは酒を嗜みません。従って、寝酒は何時も一人で楽しみます。かかるご託を肴に飲むのも一考かと。
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