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一考 | 山下清澄さんのことなど

 ムーンさんへ
 先日はお世話になり有難う御座いました。ミル嬢のお持てなしには感服、宝石のお仕事にかかる才能がもしなければ、太郎屋さんと共に西を代表する割烹の女主人に成り得たものを、私の嗜好から推して残念至極。料理の要は愛情と、この歳にて改めて気付かされました。よろしくお伝え下さい。
 来住では刺身とモルト・ウィスキーと発動機の話に終始。板前から暴走族、アル中から陶芸家、旋盤工から宝石商、空手家から運送屋、配管工から登山家、整備士から看護婦等々、酒だけを拠り所によき友が久しぶりに集いました。一人として同業の者が居ない、不思議な光景で御座いました。更に獣医、歯科技工士、書家、画家、サーファー、新聞記者、そして鍍金屋、自動車屋、バイク屋、酒屋、金魚屋、自転車屋、焼き肉屋、お好み焼き屋のおやじとニッカポッカの沖縄のあんちゃんと銀行の支店長を加えれば、それが明石のですぺらの常態だったのですが。おっとワーグナーとアドルノの研究家三光長治さんを忘れるところでした。

 刹那の広島行きだったものですから、津原泰水さんには連絡をとりませんでした。山下清澄さんが近く広島で個展をなさるらしく、その折にでも御紹介しようと思っております。あのお二人なら呼吸があう筈です。ムーンさんには個展の日時が決まれば連絡致します。次回は車で参りますので、一緒に広島へ行きませんか。作品は六万から二十万円くらいまでとお聞きしました。近作は驚くべき稠密さを持っています。横須賀さん、須永さん、高遠さんも驚愕なさっていました。
 それにしましても、一宵徹して山本六三さんの話になりました。もっとも紹介したのが私ですので致し方御座いません。六三さんの影響を受けた方は多くいらっしゃいますが、六三さんが影響を受けたのは山下清澄さんの他、恐らくは三名のみ。山本六三についてのエッセイを是非著したいとのことですので、雑誌を工面致さねばなりません。発動機と書物は確実に私をどこかへ連れて行ってくれます。山下清澄さんとの久しぶりの再会が私の中のなにかに火をつけました。まだまだ朽ち果てるわけにはいきません。



投稿者: 一考    日時: 2002年05月15日 18:28 | 固定ページリンク





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