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一考 | アデルフィ

 アデルフィー・ディスティラリー Adelphi Distillery Ltd
 アデルフィ蒸留所は1826年グラスゴーにて設立。1880年にはスコットランドで最も大きな蒸留所の一つになっていました。しかし、20世紀に入り景気が後退、生産調整のために多くの蒸留所が閉鎖されました。アデルフィ蒸留所も時局を免れること能わず、1902年に閉鎖。ボトリングラインと倉庫のみ使用されるという状態で1960年まで建物は残っていましたが、その後取り壊されました。
 蒸留所の最後のオーナーであったアーチボールド・ウォーカー氏より数えて四代目にあたるジミー・ウォーカー氏はアデルフィ蒸留所の再興を願い、1993年にエディンバラでインデペンデント・ボトラーを設立しました。
 アデルフィ社は低温濾過すなわちフィルターの無使用と無着色のカスク・ストレングスを専門としています。無着色とはカラメルによる色づけをしないことであり、カスク・ストレングスとは水で希釈してアルコール度数を調整しない、要するに樽出しのままということです。
 ラベルとボトルのデザインはスコットランドのグラハム・スコットの手になるもの。すべてが一樽のみのシングル・カスクのため、英吉利では主にメール・オーダーで頒されています。信頼できる瓶詰業者のひとつですが、わが邦での評価は異常なまでに高く、97年に頒された78年蒸留の19年ものアードベッグは既にプレミアが付いています。いささか気になるところです。 
 そのアデルフィ社のニュー・ボトルが入荷しました。香味を確認の上、下記の五種のみの仕入れになりました。どうかよろしくお願い致します。
 
 ダルユーイン     1980 21年 56.1度
   (ホットでビターなアフター・テイストが特徴)
 バルミニック     1990 11年 59.7度
   (ハニー香の強い甘口だが、フィニッシュはスパイシー)
 クライヌリッシュ   1989 12年 57.2度
   (リキュール系の甘さとマスタードの辛さ、バランスのよい銘酒)
 ノックドゥー     1989 12年 56.6度
   (完熟林檎と西洋梨の香り、クリーミーなラスト・ノート)
 ローズバンク     1992 9年 61.8度
   (ドライなミディアム・ボディ、初手は焼き林檎の甘い香り)

 クライヌリッシュでは88年蒸留の11年もの、84年蒸留の16年もの、72年蒸留の28年もの、74年蒸留の27年ものが頒されています。また、ローズバンクには樽の異なる61.0度のボトルもあります。



投稿者: 一考    日時: 2002年04月25日 19:56 | 固定ページリンク





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