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一考 | 器用貧乏

中島さんへ
昔、澁澤さんから、体があまりに弱く入退院の繰り返し。従って尋常の仕事かなわず、売文に明け暮れるようになったと、幾度となく聴かされました。稼ぐ手立てが限られれば、自ずから専心するしかなく。例えば私のようにいささか器用な人間は、結局何者にもなり得ないのかもしれません。
種村さんから、一考は今のままでは駄目、君は人生に今なお未練を持っている、いざりにならなければものは著せないよとの忠告を受けました。この辺りの消息は「後方見聞録」の解説で触れましたので、お読み頂ければ幸いです。
食するために働かねばならない人が表現者になるのは言語道断との命題は、かのリラダン伯以来、今なお問い続けられるべき問題です。ボクサーの殴られ役によって得る僅かな稼ぎで生き延びたリラダンがかくまで高貴なコント・クリュエルを著したのは悲壮を通り越して、言葉の正真の意味での残酷です。身近には須永朝彦という壮絶な闘いを続ける友がいます。貴女にも頑張って頂かねばならないのです。



投稿者: 一考    日時: 2001年10月10日 15:25 | 固定ページリンク





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