大腿骨頭壊死
(2019-10-03 07:11:19) by   


 一箇月検査が続いた。この間、なにを調べているのか分からない検査もあった。もっともどこかに異常がないかを精査するのが検査であって、診察はその可否に至るための舵取りのようなものである。
 糖尿ではなく、わたしは結石から腎不全になった。それ故、移植腎に結石が発症していないかを調べたのが突端である。結石は大丈夫だったが、そのCT検査で前立腺癌と大腿骨頭壊死の疑いが生じた。前立腺癌のための検体検査と骨頭壊死のためのMRI検査が続いた。その間に大腸ポリープ除去のための大腸内視鏡検査が加わった。大腸ポリープは3センチを超えると癌化する恐れがあるが、前立腺癌と共に問題はなかった。
 腎移植の際に免疫療法の一端としてステロイドパルス療法を受ける。ステロイド剤の高用量あるいは長期間の使用によっって屡々骨頭壊死が発生する。わたしの場合、3度のステロイドパルスを受けている。他ではリツキサン点滴静注を3度。リツキサンはモノクローナル抗体であり、その製剤は分子標的治療薬のひとつとして抗癌剤、免疫抑制剤などとして使用される。抗癌剤としては保険対応だが免疫抑制剤としては保険対応外で1回の点滴静注に21万円の薬価が必要となる。
 骨頭壊死だが、患部は骨頭(股関節のソケット部分にはまる球状の部分)と頚部(骨頭のすぐ下の部分)から成る。ソケット部分の球状はきれいに映っていて、頚部に壊死が線状に拡がっている。従って、人工関節置換術でなく骨切り術が行われる。骨頭穿孔術と呼ばれる手法がそれで、大腿骨の骨頭から骨の痛んだ部分までドリルで穴を開ける。これにより、異常のある部分まで血管が到達するための経路ができ、新しい骨の産生が促進される。股関節の痛みは軽減され、人工関節置換術を回避できる可能性がある。
 骨頭壊死を見付けたのは、若い泌尿器外科の横山医師である。ここに記して感謝する。


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