(2007-09-16 13:27:20) by   


 隆さんから電話があった。隆とは愚息である。今度音大へ入りたいとかで、のんちさんを思い起こした。掲示板へ掲げられた白髪の私を見て驚いたようだが、その分彼が大きく育ったということになる。
 電話の内容は明石焼きの鍋。彼の許に銅板手打ちの鍋が一台あるのは分かっていたが、それを寄こせとは流石に言えなかった。てっきり、日頃用いているものと思いこんでいたのである。しかし、明石の住人ならば、自宅で作るより専門店へ出掛ける方が安くて手っ取り早い。使っていないので送ろうかとのありがたい申し出だった。
 明石焼きに関しては掲示板で詳述したので繰り返さない。ただ、隆さんからじん粉はどうするのかと訊かれた。彼は品川生まれで神楽坂の育ちである。にもかかわらず、じん粉への知識を持っている。長い明石生活がもたらしたものと思う。魚の棚にある粉屋の一軒を説明し、仕入れへのご協力を願い出た。
 さて、ここまでくれば明石焼きを置かないわけにはいかない。ガス台の配置を考えなければならなくなった。

 ですぺらだが、大工の手当がつかず、九月開店は見送りのようである。詳細は書きたくもないが、この数箇月の推移を顧みて忸怩たらざるを得ない。閉店に際し手にした金数も底をつき、愈ますます途方を失いつつある。


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