飴の中から金太さん
(2007-04-06 20:21:24) by   


 昨夜、シモンさんが帰られた後、新宿でいつもの五人組が集まって店の先行きについてのはなしになった。再開発は赤坂だけではなく、新宿でも広く行われている。石原都知事の命によってゴールデン街二百六十軒の飲み屋はまさに風前の灯である。五丁目のAgeも立ち退きを迫られた、こちらはビルの建て替えである。二階と三階は住居で、新築から四十年間住んでいた婆さんは真っ先に追い出された。転居までに与えられた期日は一箇月で、転居先は紹介されたものの、引っ越し費用は自己負担である。Ageは業務店なので、さらに過酷な条件が待ち受けている。
 石原都知事の初仕事は都内の公立図書館の縮小と合理化であった。司書は解雇され、地方地誌にかんする資料は大半が破棄された。持て囃されたのは都市の再開発である。ちなみに、東京の産業廃棄物の量は全国の七割を占める。そして産廃を捨てるのに要する費用は明石の二十倍、人件費など諸経費込みでダンプ一杯百万円を超える。業者からは東京価格を請求されるが、その塵が都内で処理されることはほとんどない。茨城、栃木、群馬県内などで投棄されている。それだけ、都内のビルの新陳代謝が激しいのである。
 前項で触れたコンビニや石原に責任があるのではない。要は都民そのものが金太郎飴になってしまったのである。コンビニのおでんを買って天皇陛下万歳とでも三唱しようか。


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