昭和のはじめ、串カツはビフカツ(ビーフカツレツ)の廉価版として誕生した。同時期、関東では豚肉とタマネギを交互に刺した串カツが生まれている。戦後、牛肉の代用品として鯨肉が用いられ、同時にジャガイモの串カツが流行する。流行らせたのは満州からの引き揚げ者である。子供の頃、わたしはジャガイモばかり食べていた記憶がある。関東式の串カツが関西で流行るのは昭和30年代以降のことである。ちなみに、串揚げが生まれたのも串カツと時期を同じくする。串揚げをわたしは串カツの亜流だと思っている。