看護師がN95マスクを着用しなければならない患者2人が入院した。1人はわたしが輸血を受けたナースセンター内の病室A1422(4階の最終番号で窓が一切ない)で、重度の治療が必要である。いま1人は個室、共に五月蠅いほどシーリングチェックをしている。詳細は分からないが呼吸器感染症に違いない。
N95は細菌の遮断効果が要求されるマスクで、不織布の中にフィルターとしてグラスウールと活性炭が這入った3層構造のもの。もっともこのマスク、15分以上は苦しくて使えない。手術用のサージカルマスクなどとは区別し、レスピレータ(呼吸用保護具や防塵マスクとも呼ばれる)と呼ぶ。サージカルマスクは装着者の側から発する飛沫の拡散を防ぐために用いるが、レスピレータは装着者を空気中の微粒子(有害物質やウイルスなど)から防ぐために用いる。なお、N95は普通に販売されているが、微粒子用マスクなど何に使うのかしら。
序でにマスクについて一言。最大の用途は咳、嚔(くしゃみ)、痰、唾液の飛沫による病原菌の放出を防ぐ。風邪の予防としても用いるが、ウイルスや細菌はマスクのガーゼを通過して鼻腔や口腔内から体外に飛散、また逆に侵入するので役に立たない。さらに、マスクそのものが呼吸によって温まり湿潤すると、細菌の繁殖を助ける。従ってマスクを使用する場合、1時間以上同一のものを使用すると逆効果になる。10枚100円の安物を頻繁に交換するのが最も効果的。安物が嫌な神経質な方は防毒マスク着用を。