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一夜ですぺらで
記憶の迷宮に影を失い
まさぐる壁に個有の曲率で相隔てられながら
奇怪な共振を受胎する幽閉者たちの
再開して爆ぜ散るサバトの残り火──
歓声の下 声を呑んで注ぐ渇いた目に
まぎれもなくモアレに顕れる暗黙の記号──
「日の下に新しいものはない」の伝道者の断言は
若年の衒いが心の墓碑に銘していたが
いま老年のとぼそをめぐらせて唱えられると
絶望を辛うじて封じる知恵へとひびきを変え
迷宮は迷うがうちに拓かれおえていても
美少年の面影は
なお礎石の上にしたたるばかり
一昨年の二月五日、相澤啓三さんから上記の詩を頂戴致しました。「須永朝彦・渡邊一考両君の誕生祝いの宴の後に」との添え書きが付されていました。「孔雀荘の出来事」(書肆山田刊)に収録されていますのでご存じの方も多かろうと思いますが、須永朝彦さん共々目頭が熱くなるような感動を覚えました。その二月五日(水曜日)がまたやって来ました。須永朝彦さんと不肖私儀の合同誕生会を催します。午後七時より、会費は男子四千円、女子三千円です。葡萄酒、ウィスキー、さけ、ビールは潤沢に用意致します。滅びを忘れるわけには参りませんが、いとせめて、一会の切なさに身をまかせたく、ご参加賜れば幸甚です。
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