ですぺら
ですぺら掲示板1.0
1.0





« 前の記事「(無題)」 | | 次の記事「モルト情報14」 »

一考 | 誕生会来たれり

  一夜ですぺらで

 記憶の迷宮に影を失い
 まさぐる壁に個有の曲率で相隔てられながら
 奇怪な共振を受胎する幽閉者たちの
 再開して爆ぜ散るサバトの残り火──
 歓声の下 声を呑んで注ぐ渇いた目に
 まぎれもなくモアレに顕れる暗黙の記号──
 「日の下に新しいものはない」の伝道者の断言は
 若年の衒いが心の墓碑に銘していたが
 いま老年のとぼそをめぐらせて唱えられると
 絶望を辛うじて封じる知恵へとひびきを変え
 迷宮は迷うがうちに拓かれおえていても
 美少年の面影は
 なお礎石の上にしたたるばかり

 一昨年の二月五日、相澤啓三さんから上記の詩を頂戴致しました。「須永朝彦・渡邊一考両君の誕生祝いの宴の後に」との添え書きが付されていました。「孔雀荘の出来事」(書肆山田刊)に収録されていますのでご存じの方も多かろうと思いますが、須永朝彦さん共々目頭が熱くなるような感動を覚えました。その二月五日(水曜日)がまたやって来ました。須永朝彦さんと不肖私儀の合同誕生会を催します。午後七時より、会費は男子四千円、女子三千円です。葡萄酒、ウィスキー、さけ、ビールは潤沢に用意致します。滅びを忘れるわけには参りませんが、いとせめて、一会の切なさに身をまかせたく、ご参加賜れば幸甚です。



投稿者: 一考    日時: 2003年01月24日 02:44 | 固定ページリンク





« 前の記事「(無題)」 | | 次の記事「モルト情報14」 »

ですぺら
トップへ
掲示板1.0
トップへ
掲示板2.0
トップへ


メール窓口
トップページへ戻る